緑ゆたかな・・・

“ドラえもんのポケットがあったら・・・” 保護者の皆さまも子どもの頃に思った方はたくさんおありでしょう。年代がばれてしまいますが、私の幼児期にドラえもんはまだ放映されておらず、本の世界に出てくる魔法の道具が憧れの対象でした。広げたらごちそうが出てくるテーブルかけや勝手に歌を奏でる竪琴、金の卵を産むにわとり・・・外国の話だけでなく、日本の話でも、打ち出の小づちや聞き耳頭巾など、私もそんな魔法の道具が欲しいなあと夢が膨らんだものです。

なぜ、そんなことを書きだしたかというと、昼休みに子ども達と遊んでいて園庭の桜の木を見て思い出された話があるからです。この春、園長先生が運転士の渡辺さんにお願いされていたことの1つに、桜の木に付着していた苔やキノコをきれいにとってくださったことがありました。

理由を伺うと、樹齢70歳の桜の木に新芽が出ていたそうなのですが、それが枯れており、苔やキノコのせいで新芽に十分な栄養がいきわたっていないからでは・・・と心配されたからだそうです。

渡辺さんいわく、タワシぐらいではとりきれず、ヘラでこそげ落とさなくてはならなかったそうです。

園庭の中央に立つ現在の桜の姿は、決して立派な姿とは言えませんが、花の季節が終わり、新緑姿の彼(彼女?)を見ていると、なんとなくうれしそうに見えるのは私だけでしょうか。

「ああ、体中をきれいにしてもらって気持ちいいなあ。サッカースタジアムの桜の奴の方が目を引くようになったが、私のことをちゃんと見てくれていてうれしいわい。」

広野の子ども達も、聞き耳頭巾がなくても、そんな木の声が聞こえる心が育ってくれたらなあと思います。

4月23日は子ども読書の日、そして、もうすぐ始まるゴールデンウィークには、みどりの日もございます。親子揃って、良い本に触れる機会を持たれたり、新緑のなかで散歩に出掛けたりされると、新学年が始まって、新しい環境で高ぶっているお子さまの気持ちもほぐれる、すてきなコミュニケーションの時間になるのではないでしょうか。

 

 

 

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Maikka