星の王子さま

園庭にあるブランコの後ろに、マリーゴールドが咲いています。このマリーゴールドの開花を、秘かに心待ちにしていました。

今からさかのぼること3カ月前のことです。夏休み前のある日の木曜日、年長児のどんぐりクラブの子どもたちと花がら摘みを行いました。マリーゴールドや百日草(近頃ではジニアと言った方がわかりやすいのでしょうか)の枯れた花がらをむしると、黒い種があるのですが、よく園長先生が咲き終わった花がらをプランターに蒔いておられたので、子どもたちと挑戦することにしたのです。

子どもたちには「先生も初めてするから、絶対に芽が出るとは言えないの。出たらいいな…ぐらいの気持ちでやってみよう」と、少々、無責任な持ちかけでした。芽は出なくとも、花の仕組みがわかってもらえるだけでもいいかな?という気持ちでした。他のマリーゴールドと区別できるように、プランターではなく、とゆにばら蒔いたのです。

そして、秋。たくさん蒔いた種から2本、芽を出して咲いてくれたのです!

しかも、うれしいことに、私が子どもたちに伝える前に「先生、ブランコの後ろに咲いたで」と、ある女の子が先に言いに来てくれたのです。他の子どもに伝えたところ、「知ってるで。違う色で2本やろ」と答えてくれた男の子もいて、会話には上ってなかったけれどちゃんと見ていてくれたんだなあと、さらにうれしくなりました。

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その後もしばらく様子を伺っていると、離れたところにもう1本芽が出てつぼみがついています。さっそく子どもたちに紹介し、「次は何色が咲くかな。また黄色かな?」と、開花するのが待ちきれなくなりました。

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そこで思い出したのは、サン・テグジュペリの星の王子さまのお話です。

バラの花を思う王子さまの心情がすごくわかる一文なのですが

「あんたがバラの花をとても大切に思っているのは、そのバラの花のために時間をさいたからだよ」

何かに、誰かに、時間をかけたり心を配れば配るほど特別な存在になります。

“ 関わる ”という点では、キツネのくだりが印象的で、一番大好きな場面です。飼いならされるキツネの寂しさと喜び。人とのつながりを実にまっすぐに教えてくれた本です。

読書の秋、また家で読み返してみたいと思ったのでした。

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Maikka