鳥獣戯画にあこがれて

日本のマンガの祖とも言われる鳥獣戯画。昨年の秋には京都の国立博物館でこの展示が

大きな評判を呼び、入館するのに3時間待ちという話もあったようでした。

自分も会館前までは出向いたのですが、待ち時間に恐れをなして、行き先を変更したものでした。

 

この巻物がどこに伝わったかと言えば、それは、京都の北、西の鯖街道(周辺街道)沿いの

栂尾(とがのお)の高山寺です。高山寺は自分にとっては、パワースポットの一つと思っていますので、

久し振りに訪れたのでした。

 

紅葉の色づきは今少しということですが、それでも紅葉を待ちかねている人も多く駐車場が満杯に

ならないうちにと、朝の9時には駐車場に着いていました。

 

裏参道から登ります。同じ道をたどる人は、一人か二人。国立博物館の混雑振りは、別世界の出来事です。

周囲を彩るはずの紅葉はまだまだ緑、1週間以上も早いようです。

 

質素な門をくぐりますと、石水庵。縁側にたたずみ、しばし、浮世と隔絶した時を過ごします。

この日に先だち、水曜日に園内で行った研修会で、子どもたちの絵の見方の一方法として、感性的に

ではなく、理論的・論理的・分析的に絵を見ることも必要ではないかということを話していたのでした。

 

そこで、この手法を使って鳥獣戯画の複製を見ることにしました。すると、第1巻の一部に登場する動物は、

ウサギ・カエル・猿・キツネなど、頭にかぶっているものは烏帽子など3種類、着物を着ているものは?、

履物を履いている者は?、口をあけている(嘲笑・ひやかし)ものは?、腹を空に向けて引っ繰り返っているものは?、

王様の猿に献上品(?)として持参している動物は鹿と猪などなど、ネズミ以外の動物はほぼ同じ大きさに描かれているなど、

今まで、分かっていなかったことがはっきりと見えたのでした。

2時間あまりの時間でしたが、非常に有益でした。

自称 保育バカ