一人の子どもの心に(だけ)響く絵本も

 

 ある日のこと。おたよりぽすとを通して一人のお母様から担任に嬉しいお礼の言葉が届きました。それは、自分の子は最近メガネを掛けるようになったのですが、掛けることをとても嫌がっていたところ、一冊の絵本を読んでいただいたおかげで、今までとは打って変わって、喜んで掛けるようになったということでした。

 

  その絵本は、“めがねをかけたら”くすのきしげのり作、たるいしまこ絵で、小学館から出されたものです。絵本の右下には“おもいやりのこころを育てる”とは書いてありますが、このようなキャチコピーはそこかしこで見られるもので、さほど重要視する必要はありません。

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  また、この本は、広野幼稚園のどの年齢においても、子どもたちに読み聞かせるブックリストに入っている訳ではありません。しかしながら、広野幼稚園では、最近、“1年に1回だけ読み聞かせをすれば良い”という絵本を、意識的・積極的に集め、その時、その子どもにあった絵本を読み聞かせようと考えているからです。

 

  たとえば、3月11日の数日前には、昔から伝わる紙芝居“稲村(いなむら)の火”だけではなく、地震に関連した“ゆずちゃん”(ポプラ社)などの絵本とか、幼少期、少し変わった名前のためにからかいの言葉を掛けられ、嫌な思いをしたという絵本“しげちゃん”(室井滋作、長谷川義史絵)(金の星社)などです。

 

  天災時によく使われる“備えあれば憂いなし”という言葉通り、時に応じて一人の子どもの心に響く絵本もそろえ、よの深い関心を向けていきたいと思っています。