花よりたいこ(太鼓)

“あっ、今日は天神さん(25日)や”と思ったのは、朝寝床から起きようとした瞬間でした。未だ梅も名残惜しげに咲いているであろうし、道端には桜も咲いているであろうし、また天神さんを通り抜ければ、平野神社の桜もちらほら咲きではないかと思い、それにもまして今日は時間もあるので、久し振りにじっくり露店や植木を見て回ろうかなと気を引き締めたのでした。

 

何を買うかというあてはありません。子どもたちが絵に描けるような“何か”を探します。何かとは何か、それは自分の目に飛び込んで来てくれたものです。

 

信じられないことに10店めものぞかないうちに、見つかりました。いろいろな小物がのせてある丸型の木製品です。これは平太鼓だと直感しました。

 

私がご亭主に「これいくら?」とたずねます。ご亭主いわく「なんぼで買うてくれるん?」と逆に質問されます。何度かこの問答を繰り返したあと、ご亭主「昔、3000円で買うたから4000円でどうや」との答え。

 

神殿の横に出ましたので、長蛇の列をつくってられる方々を尻目に、お賽銭を奮発したあと、横目でお参りします。

 

先とは別の道を引き返すと、御所人形らしき人形に出合いました。値段は?とたずねますと、まずますの値段。家までどうして持ち帰ろうかと考えましたが、欲望には勝てず、購入しました。

 

こうなると、“長居は無用”です。先に購入を決めていた露店に戻り、皮(皮ではなくラシャ地?)が半面だけ張ってある太鼓を右手に、左手には偽の御所人形をもって早々に引き上げました。花より太鼓でした。

保育バカ