☆ 総合避難訓練を前にして

昔の京都では、“伊勢(神宮)へ七度、熊野(大社)へ三度、愛宕さん(京都で一番高く、火の神様)には(毎)月参り”という慣用句がありました。マイカーはもちろん、機械化された乗り物がなかった時代に、信心深い方々の間で願われていた言葉です。極度に火災を恐れた京雀たち(京都の市民)の願い、愛宕山詣では、伊勢や熊野への参拝と並び称されるほど大切な心の支えであったのでしょう。

 

愛宕山には一度もお参りしたことのない無信心な私ですが、ご先祖様が大変信心深かったため、毎年、自分の家には“火の要慎(用心)”のお札が送られて来ます。もちろん、このお札は広野の給食室にも貼ってあるのですが、今年の一枚を保育所棟の廊下、通られる職員や保護者の目にふれるところに貼りました。貼っておくことで多くの方々の目に留まり、防火意識が高まればと願っています。

DSCF6110

もう一つ、前日の16日、発注していた赤いバケツが10個入荷しました。お察しのとおり、外側には“防火用水”と白色で書かれています。この日以後、園内に3・4か所に水をはって置き、日頃から“いざ鎌倉”に備えるとともに、職員・子どもたちともどもの防火意識を高めていこうという思いからです。

DSCF6111

このような環境の設定を考えたのは、日ごろ子どもたちの行動や言葉の収集や分析に触れすぎていますので、去年までの消火活動だと、子どもたちの心の中に、火は必ず消火器で消すものだという思いが強すぎるのではないか、水をかけるという昔からの消火活動の第一歩が頭から飛んでしまうかも知れないとの恐れからです。思い過ぎだと思いますが、万々一のことを考えてのことです。

 

ちなみに、あるクラスで子どもたちに聞いてもらったところ、やはり、そのように考えている子どももいるとのことでした。   園長