東近江市の(豊郷)小学校へ

自分にとって長い間の懸案だった東近江市は豊郷小学校を見学してきました。

昨年のNHKの大河ドラマ“真田丸”が始まる以前に、九度山町の隣にある国の重要文化財

である高野口小学校を見学して以来、今に今にと思っているうちに月日が流れたのでした。

小学校は滋賀県の近江鉄道の八日市市駅から四つ目の駅、豊郷にあります。近江八幡市に

名高い建築物を数多く残す、ウイリアム・ヴォーリズの設計によるもので、国の有形文化財

に指定されているものです。

平成25年頃、耐震設計を施してそのまま使っていくべきか、それとも、新しい建物を建てるべきか、

かなりの議論があったようですが、旧建築物は残したまま、新しい校舎を建て、子どもたちは新しい校舎に、

耐震補強を施した古い建物には、町の文化施設のいろいろ、たとえば、図書館・子育て支援などに使われているようです。

タクシーが着いたところには“ただ今、建ちました”と言わんばかりに左右対称の白亜の洋風建築が輝いて見えます。

自分としては、なぜか、古い木造校舎をイメージしてきただけに、ものすごい違和感があります。“これが?”とキツネに化かされたような感じです。

高野口小学校とは違い、見学は自由です。ウィークデーのことですので、教育委員会(?)などの方々などが執務中です。

仕事の邪魔にならないように静かに見回ります。まず、驚いたのは100メートル廊下、これを雑巾掛けさせられたら、

なんぼ若くて元気のある小学生でも息切れがするのではないかと思いました。ちなみに、後で自分の足で測ったら、

198歩ありました。(ちなみに、2階は169歩でした)

2階に登る階段の重厚な手摺りには、歴代の子どもたちが滑り降りができないように、亀が坂道を登って行くイメージ、

対象物としてのウサギは、居眠りしているポーズの彫刻もありました。

体育館と講堂は別、講堂の床はかすかに傾斜がついていて、舞台の上からも全員の方々の顔がはっきり見えるようになっています。

備え付けの長椅子は重厚そのもの、さすがに年代を感じさせます。2階の床にも少し傾斜がついていました。

さすがに、現存する日本の大手商社の一つ、伊藤忠商事の創設者の出身地、その会社の初期の番頭(専務)を務めた、

丸山氏が私財の大方を投げうって建てられたという、とてつもないスケールの(旧)校舎でした。感動的でした。

園長

 

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