歩いて、きぬかけの道から嵐山へ

一本の木に宿る朝露が雲間から注ぐ太陽の光を浴びて美しく光る光景を

見つめる時間も大切にしたいと、家を出る時間を遅くしました。

この日は、京都の名勝の一つ、嵐山に最近できた料理のミニチュアーを売る店が

できたということで、一度は訪問せねばということで出掛けたのでした。

 

まっすぐ出掛けてもおもしろくも何もないということで、めったに乗らない

北行きの市バス50番に乗り、北野神社、平野神社、わら天神などを通り、

終点の立命館大学の衣笠学舎(堂本印象館前)で下車したのは11時も回っていました。

 

下車して、少しゆるやかな道を登りおりしますと、石庭で有名な竜安寺、

小ぶりな桜の仁和寺です。五重の塔横目にどんどん西へ歩きます。

来年で4回目を迎える京都マラソンのコースを逆回りに歩いていることになります。

 

鳴滝を越え、宇多野へ。桜守として有名な佐野藤右衛門さん宅かとお見受けする

庭石置き場などを通り過ぎますと、広沢池です。年末恒例の池の水を抜いて

行われる鯉などのつかみ取りは、12月8日の土曜日らしいです。

 

左手に佛大付属幼稚園を見ながら、観光する車は通らない広沢池の西側を

北上し、池に浮かぶ中秋の名月をイメージします。取り敢えずの行き先は大覚寺。

いつもは表門から出入りしますが、今日は裏口からの侵入です。

 

大覚寺が所有されている大沢池の北方に、百人一首(滝の音は絶えて久しくなりぬれど

なこそ流れてなおきこえけれ)などで有名な“なこその滝”があります。

若い時は、自動車で行き来することが多かったので、この辺までは

なかなか足が向かなかったところです。

 

大覚寺から渡月橋までの道は、思い出深いという方が多いのではないでしょうか。

ところが自分にとっては、とっても苦い思い出の地です。

 

その理由は、高校時代、出身校のクラス対抗駅伝に駆り出され、大覚寺から

渡月橋までの往復を走ったのでした。渡月橋までは下りでよいのですが、

帰りは登り、のんきに歩いている方には分からないでしょうが、練習もせず

走ったものにとっては地獄に近い道でした。

 

園長