ある日の昼下がり、東京は池袋に近い明治図書の会議室にいました。今回、仲介の労をとっていただいた丸山先生と、自分の弟と編集者の及川氏の4人会議です。

主な目的は、初めての出会いの挨拶を交わすこと、数多くある日本の幼稚園の中から、なぜか、それほど有名でない広野幼稚園の保育に関する記述が、このような大きな出版社から、しかも、一気に2冊も、また、幼児教育関係の出版から、一度は撤退された会社が、この著者をきっかけとして、一転して、本が売れない(幼稚園・保育所の先生が本を読まない)時代に、再度、乗り出そうとされているのか、また、今回の内容が、それにふさわしい価値を持っているのかどうか、いろいろな疑問点を抱えながらの訪問でした。

 

本の出版は、小説などは別として、99パーセントの出版物がいわゆる大家として名の通った方々に、編集者が依頼されるのが普通です。いくら、丸山先生の力や押し(?)の強さを持ってしても通じる話ではありません。

 

それは何か、なかなか言いにくいことですが、広野幼稚園の年長にわたる“こつこつした保育の積み重ね”が評価されたと受け止めて間違いはないだろうと思っています。

 

今、望むことこは、今回の明治図書の再スタートを期に、全国の心あり、地道な実践を積み重ねた他の幼稚園・保育所が発掘され、名乗り出られ発刊にこぎつけられますと、日本の幼児教育界も一段のレベルアップが図られるのではないかと期待しています。

 

秘密の話ですが、今回の出版がそれ相応の評価を受ければ(売れれば)という条件はついていますが、一気に2冊を世に問うという破天荒な企画は別にして、続いて、再び、三度、広野幼稚園に出版の依頼がくるかも知れません。                園長