愛を育むこと
昨晩、テレビのリモコンを適当に変えていると、「しくじり先生」という番組に目が止まりました。普段はあまり見ない番組なのですが、昨日は、私の好きな「星の王子さま」の本についてオリエンタルラジオの中田さんが熱く語られていたので、チャンネルをそのままにして見ていました。
去年の10月末にも、この本についてブログを書きましたが、今回は、バラを大切にする王子さまの深い思いが書かれている箇所を読まれていたので紹介します。
「ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばをとおってゆく人が見たら、あんたたちとおんなじ花だと思うかもしれない。
だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。
だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。
覆いガラスもかけてやったんだからね。
ついたてで、風に当たらないようにしてやったんだからね。
ケムシを―――2つ、3つはチョウになるように殺さずにおいたけど―――殺してやった花なんだからね。
不平もきいてやったし、じまん話もきいてやったし、だまっているならいるで、時には、どうしたのだろうと、きき耳をたててやった花なんだからね。
ぼくのものになった花なんだからね。」
「あんたが、あんたのバラの花をたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、ひまつぶしをしたからだよ」
今、年中・年長組の子どもたちは、チューリップやアネモネの球根を担任の先生から受け取り、育て始めています。
初めは、袋にたくさん、同じように入っていた球根が、何の縁かで、一人ひとりの手に渡ってきました。その瞬間から、私の球根は、友達の球根とは違う特別な球根になるのです。ぼく・わたしのものになったのです。
寒くなってくる季節、生長はあまり目に見えてわかりません。王子さまのように、どれだけの時間と手間を割くか、関わりを持つ手立てを講じるかで、子どもの心のときめきはちがうでしょう。
他に、その番組で面白かったのは、ゲストに来ていた男女で受け止め方が違ったことです。
一人の女性は「子育てに似ている」とコメントし、一人の男性は「仕事のようだ」と話されていました。各々、大切に思う対象によって、思い浮かべるものも違うでしょう。
でも、その女性のように、子育て中の親御さまにとっては、どの子もかわいいけれど我が子が特別な存在なのは、数時間おきにミルクを与え、夜中に泣き出したら抱いてあやし、今、換えたところのオムツが濡れれば、気持ち悪いだろうとまた換えてあげ、子どもが心地いいかな、しんどくはないかな?と心配をし…数え上げればきりがない、24時間休む暇がないお母さん・お父さん業、それこそが愛情を育てているからでしょう。
生き物を育てるということは、子どもの心に愛情が育つことだと思います。
幼少期に、生き物を育てることの意義を大切に考えたいものです。
子どもたちが「わたしのチューリップ」「ぼくのアネモネ」と、特別な思い入れを持って育ててくれますように。。。
Maikka
2016年11月30日 7:03 PM | カテゴリー:幼稚園からのご連絡 | 投稿者名:フリー