金魚の終末

「この金魚死んでるん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

年中の男の子が、

正門前の金魚が死にそうなのを見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっつ、口パクパクしてる。」

男の子は、まだ生きていることを確認した。

 

「ほんとねや、生きてるね。」

でも、どうしてこうなったんだろうね。」、

との先生の問いかけに、

「う~ん。 おなかすいてんのかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

餌をもらい、あげてみるが、もちろん食べない。

 

「あっ、こっちの金魚が食べた。」

餌が、瀕死の金魚の側に届く前に、すべて食べられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「全然動かへん。」

他の子も一緒にその様子を見ていた。

 

 

普段の生活では、

「死にゆく姿」を見ることはあまりない。

おそらくこの金魚は、

この投稿が載る前に死んでしまっているかもしれない。

 

当学園の生物をたくさん飼っている意味がここにある。