津波想定の避難訓練

 

1995年1月17日、午前5時46分。阪神・淡路大震災から25年がたちました。私たちが住む高槻市も大きく揺れたこの地震。子どもたちはもちろん、職員の中にも経験していない者がいるほど長い年月がたちました。絶対に忘れてはいけないこの日の話を、子どもたちに話しました。

大きな津波が来る時の高槻双葉幼稚園の避難場所は、近くにある第六中学校です。この日は実際に子どもたちが第六中学校まで歩き、避難経路を知る避難訓練を実施しました。

 

まずは地震がきた、という合図で保育室で机の下などに避難。その後担任が避難経路を確認後、防災頭巾をかぶり、外に避難します。

(※本来は園庭に避難していますが、今回は2グループに分けて避難訓練を実施したので、  外遊びをしているクラスがあり、ホールの下に集まっています。)

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4月から毎月行っている避難訓練。子どもたちも理解を深め、年少児も泣く子もいなくなり、みんな真剣に参加しています。繰り返しの経験はやはり大切だな、と感じます。

 

全員が外に避難できたことを確認し、今度は大きな津波がくる、という想定の下、第六中学校へ向かいます。第六中学校へは、園庭の裏にある扉から出発です。

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第六中学校まで向かう道路は、信号を渡らくてはならず、交通量も多いです。そして何より歩道がとても狭いです。その歩道横のガードレールはとぎれとぎれになっているので、危険な個所も多くあります。

そんな道中、頼りになるのが年長児!!年長と年少がペアになり、手をつなぎます。年長児には「先生たちはみんなを守るから、年少さんをお願いね!!」と話してあります。

そして、年中児は「自分たちのことは自分たちで頑張れる!!」「去年年長さんに手をつないでもらって行ったことがあるから大丈夫!!」と、クラスの友だちと手をつなぎます。

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年少児は、年長児ほど早く歩けなかったり、こけてしまう子がいたり、子どもたちなりに手をつないだ相手と一緒に歩く中で色々なことがありましたが、自分たちで交通安全に気をつけたり、相手を思って声をかけたり、たくさんの「子ども自身が考える姿」が見られました。

 

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楽しいお散歩、ではなく、命を守る避難訓練。急ぎ足で向かいます。

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無事に第六中学校に到着!!校長先生と教頭先生が出迎えてくださいました。

そして、今年は、実際に校舎の中に入らせてもらい、階段で4階まで上がるという貴重な体験をさせていただくことができたんです!!

校舎を見上げる子どもたち!さあ、今から4階まで階段を上るよ!!

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中学校の階段は、幼稚園の階段よりも一段が大きかったです。また、便利になった世の中、階段で4階まで上る経験は普段ほとんどないと思うと、本当に貴重な体験になったな、と思います。

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中学校は授業中。それでも子どもたちの経験のために、と快く引き受けてくださる第六中学校の先生方。本当に感謝です。それに応えるように、子どもたちもとても静かに階段を上っていました。また、道中、「頑張ってね!!」と声をかけてくださるご近所の方もいらっしゃいました。こうやって地域のみなさんに温かく見守っていただき、育てていただいていること、とても嬉しく思いました。

 

教頭先生からは、「上手にできていました!命を守るために、先生の話をしっかり聞いて行動してくださいね」とお話していただきました。

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園に帰ってからも、クラスでみんなで「どうだったかな?」と振り返りました。

 

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実際に避難するようなことになってほしくないと願いながらも、やはり、このように普段から備えておくこと、訓練しておくことは本当に大切なことだと子どもたちにも伝えています。今後もしっかり取り組んでいきたいと思います。

 

地震や津波についてはもちろんですが、今回は、子どもどうしのかかわりからも、様々な学びがありました。1年も終わりに近づいてきている3学期。どの学年の子どもたちにも成長が見られたことがとても嬉しくもありました。