東北にて

昨日 ガリバーでのちゅーりっぷの活動を終えて 帰りバスの送迎後 空路仙台経由で山形へ移動しました。今日、東北地区の私立幼稚園設置者・園長研修会の教育の分科会で指導助言を担当させてく仕事がありました。この研修会は東北6県から私立幼稚園の設置者や園長先生方が集まって毎年開催されるものですが、昨年は東日本大震災の影響で中止となったそうです。

昨年、(財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構と文部科学省の仕事で、8月以降 岩手、宮城、福島の被災3県に調査に来ることがあり、交通機関の関係で何度も仙台空港を利用し、北海道と東北間を移動しました。

震災後はじめて仙台空港に降り立ったのは、空港とその周辺はアメリカ軍により復旧されていましたが、いたるとことに地震と津波の傷跡がのこっている惨憺たる状況だった、昨年9月のことです。あれから、一年も経過していないのに、空港から仙台駅を結ぶ鉄道は復旧し、空港の周囲もよほど注意しないと、被害の痕跡を認めることができない程です。

しかし、昨年9月、実際に訪ねた津波により壊滅した名取市の閖上地区は、今私が飛行機の搭乗を待っている仙台空港から数キロしか離れていません。今日、分科会の司会を担当された先生の幼稚園は、福島でも宮城県にほど近い相馬市にあって、今なお見えない放射線との格闘が毎日続いています。

山形駅から仙台駅に向かう高速バスは週末ということもあってか、仙台市内に入る前から渋滞で遅れ、市内の繁華街は最近の札幌にはないほどの賑わいに見えました。それから、地元なのか地方からの来訪者なのかわかりませんが、学校の先生らしき一団は、震災の話題を大きな笑い声を上げながら話しています。自分の気持ちがひねくれているのか、震災に対する感性がはやくも鈍りはじめているのかなぁ と複雑な思いにとらわれます。しかし、これも現実…。

私は、被災地の幼稚園は、今なお困難な状況の中でも、仲間と先生とで織りなされる「いつもの幼稚園」が昨日も今日も、そして明日からも、多くの犠牲と献身的な働によって営まれていることに、思いをしっかり寄せたいと思います。

札幌は夕方から雨模様のようですね。この雨は明日まで残るようですが、日曜日にはあがってくれることを祈りながら、これから飛行機に乗って雲の上を飛んで札幌に帰ります。