具体に身体を動かして

 美晴幼稚園でも一カ月後に運動会を行います。春の遠足のころから平和公園のお散歩がてら身体を動かしたり、園内外を問わず様々な場面で運動あそびを保育の中に埋め込んでいます。

 それから、移動のときに並んだり、友だちと手をつないで歩くことも、集団生活やあそびの経験が少ない今の子どもたちには、大事な体験の積み重ねでもあります。

 幼児にとって空間の認知と自らの行動は、具体に動いてぶつかったり、避けて通り抜けたりしなければ体得できないものです。具体の行動を通して、集団での他の子どもとの間合いや安全な過ごし方を、まさに体得しているところです。

【春日山 かすがやま第6号‘12/06/01から-1】

「おもらし」に変化が…

 排泄が完全に自立していなかったお友だちも、少しずつ幼稚園でおしっこができるようになっています。記録簿ではおもらしの報告が毎日のようにありますが、4月当初とは大きく違ってきていて、衣服はおしっこで濡らしていても実際にはトイレの便器でおしっこができるようになっている子がどんどん増えています。

 衣服をおしっこで濡らすのは、誰より本人が不快で嫌なものです。その事が自覚でき改善のために少しの努力ができることで、排泄が自立し自尊心がしっかりと心の中に位置づきます。

 そのことは、生活習慣が身につく以上に、子どもの成長発達にとって大きな意味をもってゆきます。子どもは自我がはぐくまれ排泄が自立するころから、自己有能感と肯定感が高まります。

【春日山 かすがやま第6号‘12/06/01から-2】

「受容」と「毅然とした姿勢」

 そんなまなざしで子どもの姿を捉えると、最近、園生活に慣れてきて、わがままな姿も見え始めています。食事の前に手を洗いたくない、とか、順番をわざと守らないとか…。自分なりの理由を自覚して強情を張ることと、自分や他者に不自由や迷惑、あるいは危険を与えかねない理由なき反抗は、一見同じように見えて大きく違います。

 子どもの思いに寄り添い受け入れる(受容する)こと、と、わがままを含めてその子の成長を阻害しかねない姿には、心を鬼にして受け入れず揺るがない(毅然とした姿勢)でのぞむことの使い分けが、子どものより良い発達のために、我々保育者や親に求められてゆきます。できるだけ具体例とともにこの紙面でもお伝えしますね。

【春日山 かすがやま第6号‘12/06/01から-3】

抱っこはいつまで

 朝、幼稚園の玄関やバス停でしばらくギュ~ッと抱きしめられている子どもが何人かいます。とっても素敵な姿だなぁとお思います。

 子どもが大好きなお母さんお父さんから一定の時間離れて元気に過ごせるのは、親の存在を忘れることができるからではなくて、お父さんお母さんへの想いを大事に胸にしまうことができて、何時でもどこでも会いたい時に会える(思い出す)ことができるからです。

 子どもが「抱っこ」を求める間は、できるかぎりその場で抱きしめてあげたいものです。そう、小学校3・4年生まではそんな子どもでいてほしいと思います。

【春日山 かすがやま第5号‘12/05/18から】