39人のコンピテンシー

今年のお泊まり会は欠席なく全員が参加し一晩を共に過ごしました。

美晴幼稚園は様々に特別な配慮や支援を必要とする子どもがいますので 一晩とはいえお母さんお父さんから離れて過ごすことは大きなハードルではあります。

中には いつもより多弁になったり落ち着きがない様子も見受けられ 自分からお友だちから離れて 時間をかけて折り合いをつけている様子もありました。

そして お友だちと協力し支え合いながら 時には保育者の助けをかりながら それぞれのできる範囲で自分のことは自分でまかない過ごしていました。

誰一人として「帰りたい」と訴える子どもはいなく 今年も不安や緊張を理由にして帰宅する子どもはいませでした。発熱や咳などが出て経過をみた子どもや一時的に寂しくなって涙する子どもはいましたが 例年にないほど寝つきも良くドンリュウも子どもたちと一緒に寝てしまったほどです。

きっと子どもたちは 全員 自分の中でこのお泊まり会に意欲と覚悟をもってのぞんでいたのでしょう。

39人全員 もっと大きくなりたい 挑戦しようという意欲と その思いを具体の行動にできる 成長・発達につながる行動特性(コンピテンシー)をもっているといえます。

卒園まで課題はたっくさんありますが 素晴らしい子どもたちです。

チャンスは誰にでも巡ってはきますが その機会は平等に与えられるわけではありません。

チャンスを好機と捕らえ 挑戦する人には 結果がどうであれ 必ず次のチャンスがやってきます。もっといえば 挑戦した人には結果に関係なく人生にとって意味ある経験が残ります。大げさだと笑われるかも知れませんが 今年の年長の子どもたちはそのような生涯にわたる基盤を備えたといえるとドンリュウは考えます。

ちょっと残念だったのは 当日7名いた教育実習生で宿泊した学生が1名だったことです。もちろん宿泊は任意ですし 事前の説明では担当の先生からも あくまでも本人の希望しだい だと伝えていました。

でもね〜 もし自分だったら どんな都合があっても 教育実習生は原則宿泊させない と言われても頼み込んででも 宿泊を含めお泊まり会に通して参加していただろうなぁ…。(泊まった学生は所属する大学の先生から 貴重な機会だから参加できるのであればお泊まり会全部に通して参加して学んでみたら と助言されていたらしい。)

だって 宿泊保育は札幌市内の幼稚園だったらほとんどの幼稚園が行うし 実際 お昼寝ではなく 宿泊保育での子どもの様子や保育者の配慮 何よりも一晩お友だちと一緒に過ごした子どもたちの表情を見てその思いを肌で感じられる機会を逃すことはしないけれど…。

子どもも実習生も 一晩共に過ごすこができたということと そうでないことでは 同じお泊まり会に参加しても得た経験の質に違いがあるということ…。

チャンスを良い機会にできた人には必ず次のチャンスが巡ってくるものです。

目の前に起こることが自分にとって何を意味するか考え いえ 感じ取り 予想して行動することもコンピテンシー。

そんな意味でも ひとつ間違えればくじけて心折れそうなお泊まり会に 楽しみに面白がって参加することができる美晴の子どもたちは たいしたものですし そのような子どもたちになるように支えてきたご家族の皆様や保育者も素敵だと思います。

園長 東 重満