ゆるやかな でも かたい 確信

先週 岩手県大槌町のおさなご幼稚園に伺ったことはこのブログでもお知らせしました。

今回の訪問で一番心に響いたのは 北は北海道 南は鹿児島 全国から激励に集まった園長先生たちに おさなご幼稚園の箱山園長先生が講演された中のことばでした。

「日本という国は いのちさえあれば 見ず知らずの人々だろうとだれだろうと いろいろなかたちで助けてくれる、助け合う国です。そして 他の国からの助けも受け入れられる国です。 だから どんなに絶望的な状況になっても とにかく いのちさえあれば やりなおしができるのですよ この国は…」

大槌町の旧市街地は 今なお 大津波に襲われさらわれたままの状態です。

この町で生活する人々の困難さは 私たちの想像が及ぶ範囲のものではないでしょう。

箱山先生は81歳。震災の年の正月 会食した同級生の中で津波の襲来を知りながら 逃げずに自宅にとどまりお亡くなりになられた方がいらっしゃる。その方は なぜ 逃げようとしなかったのか 今でも思いをよせることがある。余命短くとも いのちの限り生き 次の世代に何かをつなぐことはできるのに(できたのに)…との思いが 箱山先生にはつのっているのだそうです。

「この国は いのちさえあれば かならず助けてくれる。 やりなおしができる。」

 その ゆるやかで たしかな確信は 箱山先生が我々に伝えようとされた いちばんの思いでした。

【園長 東 重満】