こどもへの約束−2

[みんな笑顔で ありのままで…]年度末に行われたクラス懇談会で、何人もの保護者の方が美晴幼稚園らしいこととして「美晴の子どもは“みんな笑顔”で毎日過ごしていること」と「子どもがありのままで育ってゆけること(ありのままを受け入れてもらえる)」をあげていました。このことは幼稚園であれば当然のことだと私たち保育者は考えますが、これからも大切に継続して行かなければならない、美晴の良さだとあらためて気付かされました。

上記の一文は昨年度の春日山2号からの引用です。

先月 北海道の若手幼稚園長(ないし予定者)が中心に園経営ではなく保育につて特化した研究会で話をする機会がありました。その時 九州のある幼稚園を調査した時に 必ずクラスに数人 情緒不安な園児がいることの問題を紹介した時に 「うちの園でも 不安な子どもがいなくはないですから…」とサラッと話した参加者がいました。

園の中に 不安でありのままの自分で過せずにいる子どもが居続けることがなによりも重大な問題であると認識できない保育関係者の鈍感さは もしかすると彼だけの問題ではないのかも知れません。美晴でのあたりまえは 保育の専門性からいえば最低限のことなのですが…。

幼稚園の玄関に こどもがまななんかプロジェクトの「こどもの日が制定されてから65周年」のポスターが掲示されています。こどもの日制定から3年後の1951年 国民の総意としての子どもへの約束である「児童憲章」が制定されました。(詳しくはちょうど一年前 昨年5月5日の本ブログをご覧ください)

そこにはこのように記されています。

児童憲章(昭和二十六年五月五日)

われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

児童は、人として尊ばれる。

児童は、社会の一員として重んぜられる。

児童は、よい環境の中で育てられる。

.すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保証される。 以下略

今日はこどもの日。一年で一番子どもを大切にしようと意識する日のはずです。しかし 出かけ先で子どもが暴力的なことばを浴びせかけられ 蔑まれる場面を見かけました。

一年に一度。家庭で 幼稚園、学校、保育所などの施設で いえあらゆる場で大人(社会全体)が 62年前に取り決めた子どもへの約束を 本当に履行しているか。問い直し 確かめてみる必要があるのかも知れません。