子どもの視点から状況を見つめて…

昨日のお話しの続きです。

ドンリュウ園長は大学までチャンピオンスポーツ(大会での勝敗を競う学生競技)として野球をしていました。高校、大学とそれなりの実績を残したこともあり、卒業後は母校の大学の学務部教務担当の職員として勤務しながら野球部のコーチをしていました。

マンモス大学系列の地方大学だったので 学生係と教務係が同じフロアーで仕事をしていたので オフィスのカウンターで日々学生の様々な問題にも直接・間接にかかわっていました。

大学に勤務していた5年間で少しずつ顕著になってきたのが 学生の自律神経系の体調不良や疾患への対応です。端的にいえば 一見普通にみえる学生が食事や睡眠など生活リズムに変調をきたし その当時では数少なかったのでしょう 大学病院の専門医にケアーしてもらっているケースです。学生から直接申し出られるケースは稀で 健康管理室(学校の保健室)などと内々に連携する場合の方が多いわけですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この絵本、摂食障害の体験がある作者が自らの体験をベースに書いたお話しです。お母さんやお友だちに嫌われたくなくて、自分の気持ちをだれもがもっている心の中にある水色の小ビンに閉じ込める…。そして…。

人間もしょせんは動物 意識(自覚)でき自らコントロールできる領域は全体のほんの僅かで 大部分は意識や自覚の及ばない無意識(無自覚)の領域に支配されているのでしょう。だから 良いことも悪いことも 自覚のないまま無意識の領域に蓄積されてゆく。

そして 時間がたった後で 本当のダメージは 自らのコントロールが及ばない身体の部分や機能に なんらかの かたち となってあらわれるのでしょう。

この絵本の中で 学校でつらいことかなしいことがあった時に お話ししたい相談したい相手の家族がいない家に帰ることの 切なさ寂しさつらさが描写されています。

公的な小学生の学童保育は午後6時まで。しかし 最近 夜の8時9時まで子どもを預かる学童保育屋さんが出始めています。パンフレットに書かれるには 宿題のケアーや楽しい専門講師によるプログラムがいっぱい…。でもそこで 子どもの気持ちを家族にかわって引き受けることまで できるのでしょうか…。

札幌市では今年の10月から 保育所の待機児童対策の一環とて私立幼稚園での認可外保育所(幼稚園保育室)が始まり 認可保育所や一定の基準を満たした認可外保育施設より著しく安価な運営費でまかなわれる保育施設ができてしまいました。そして 幼稚園の預かり保育も保育所並みの開所をする条件で整合性を欠く運営費が補填される制度もはじまりました。

いずれも 保育の運営費が安価でもなんとかなる という悪例を既成事実化するもの。これは 長期的にみると私立幼稚園の経営を弱体化させるばかりでなく 保育士や幼稚園教諭の労働環境を不安定化させると同時に 専門職の雇用を流動化させてしまいます。

たぶん このまま進めば 行政も私立幼稚園関係者も 知らず知らずのうちに 保育の現場は蝕まれ弱体化してしまうでしょう。でも そうなっても誰も責任はとろうとしないだろうし 事実とることもできないものです。ただ その悪影響が行き着く先は 子どもたち。美晴幼稚園はこのような動きに 距離を保ちながら 子どもからの視点で状況の変化に対応して行きたいと考えます。