勤労感謝の日

今日は勤労感謝の日。

ちょっと変わった視点で考えてみたいと思います。

ドンリュウ園長が大学の学部を卒業して社会人になった年が1986年。いわゆる男女雇用機会均等法の施行元年。円高など経済状況で新卒者の就職状況に波はあったものの 日本は後のバブルに向かって上り坂(妄想)の時代です。

1999年に改正施行された同法で、求人を含む男女差別は撤廃に向かい職業名称も改められました。看護婦・保母➡看護師・保育士、スチュアーデス➡客室乗務員…。同時に夜間勤務についても特定の業種(医療、運送業など)以外の一般業種でも差別?は撤廃され女性の夜間労働(勤務)が当たり前になりました。その結果どうなったか…。

日本の2,100時間を超えていた年間実労働時間は 2010年実績で1,787時間に短縮されました。この数字は北欧・ヨーロッパよりは多い数字ですがアメリカを逆転しています。(これはOECDの国際比較調査なので様々なファクターをコントロールしている可能性がありますがある程度実態は反映しているといえるでしょう)

ここからの話は保育所関係者や保育所利用者の批判ではないことを明確に断っておきます。

一方で日本は1990年代以降、少子化の傾向が著しく進展したこともあいまって、子育て支援よりも就労支援策として保育所の量的拡大(施設定員数の拡大と開所時間の拡大)が進みました。当初から役所は「保育所の開所時間の延長は在所時間の長時間化とイコールではない。」と繰り返していましたが、結果どうなったかは言わずもがな でしょう。

保育所新設には多くの市町村で年間300日以上、一日10時間以上の開所が求められています。単純に計算すれば年間3,000時間以上の開所となります。

現行法でも日本の年間労働時間は変形労働を採用しても最長でも2,100時間を下回ります。

保育所が親の就労時間より長時間にならざるを得ないのは親の送迎時間があるからという理屈は詭弁ではないでしょう。しかし、その理屈はワークシェアリングの進展を阻害しかねないでしょう。

ドイツでは社会が早朝(6時、7時)から機能しはじめます。保育所や幼稚園も早朝から受け入れ朝食を提供する場合もあるほどです。しかし ドイツに限らず北欧やヨーロッパの国々はワークシェアリングと働き方が家庭中心に組織されていて 両親のどちらか あるいは家族の誰かかが午後には子どもを迎えにきて 家族で夕食を囲み団らんし 夜の8時には公共放送民放ともにテレビに共通のキャラクターが登場し「良い子の時間はおしまいです」というお知らせが流れるのだそうです。

一方 日本では今でも小学生以下の子役のテレビ等の出演時間は午後8時まで可能です。(人気子役が夜8時で画面に出なくなりましたよね)収録番組もあるでしょうが 8時まで仕事をした子どもが自宅に帰り就寝できるのは何時なのでしょう…。

いやみ ではなく 日本は子どもに対して間違った勤労感謝をしつづけている国なのかも知れません。