子どもの傍らにいるということ

保育臨床とは 子どもの「いま」「ここ」に真摯に向きあうこと もっといえば子どもの傍らにいるということ…。

金曜 土曜と 「子どもの『今』に寄り添い、子どもと『未来』をきずく」〜保育臨床の視点を大切に、保育の質を高めよう〜をテーマにした札幌市私立幼稚園教育研究大会があり 美晴の保育者も金曜日はいくつかの幼稚園の公開保育と分科会に参加し 土曜日は基調講演を聴きました。

基調講演の講師は 私が全日本私立幼稚園連合会と公益財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構の研究研修委員会で10年間一緒に仕事をさせていただいた大先輩でもある 福岡県のきらきら星幼稚園の黒田先生でした。

黒田先生は講演の締めくくりに一人の保育者のエピソードをBGMにのせてエンドロールのように文章で聴衆である札幌市内の保育者に伝えました。

それは 地域の他の幼稚園の先生方から慕われ尊敬を集めるような存在で 既に他界された幼稚園教諭の新卒勤務一年目のエピソードでした。

その先生は子どもの頃から幼稚園の先生になることが夢で その夢を実現させた勤務一年目 担任をもち そのクラスの中の気になる子どもの存在に悩み ついには保育者としては絶対に思ってはならない 「この子さえいなければ このクラスは良いクラスなのに…」と思いはじめます。

そう思う自分が許せず かといって クラス運営の改善ができない自分の限界を感じ 主任の先生に退職したい旨申し出ます。

主任の先生は「あなたは担任として 本当にその子のことを理解しようとしたのかしら…」と新任の保育者に投げ返します。

保育を続けていくうちに 新任の保育者はその子の気になる行動には 特徴があることに気がつきます。

その事に気がつくと ある時から奇跡のように 気になる行動はなくなっていったそうです。

このエピソードが流れて?いる間 最後列にいた私の周囲から すすり泣く声がどこからともなく聞こえてきました。

おそらく現職の多くの保育者が同じように 悩み 苦しみ 自分の力のなさに未来を見失った経験をしたのでしょう。そして 「保育者として 子どもの傍らにいる意味」をかみしめていたのだと思います。

美晴の保育者は そんな貴重な研修を大切にしながら 金曜日の公開保育と分科会の後 土曜日の基調講演の後 ワクワクに向けて出かける ショッピングモール(イーアス) シネコン(ステラプレイス) 滝野すずらん公園 そして 年長青バッチクループが出かける石屋製菓のチョコレートファクトリーで子どもたちと同じ様にクッキーづくり体験をして 保育の下見をしていました。

月曜日からも 保育に真摯に向き合ってゆきたいと思います。