保育の原点

日曜日に移動して 昨日 今日と福島県内の幼稚園を訪ねました。

公益財団法人 全日本私立幼稚園幼児教育研究機構が3年の期間 福島県内の3つの幼稚園を断続的に映像で記録し この度 「原発事故、福島の幼稚園は~環境喪失の中で保育の原点に立ち返る~」という記録映画が完成しました。

その撮影に協力していただいた幼稚園に 財団の理事長と担当職員と共に 記録映画完成の報告とお礼に伺いました。

私が財団の研究研修委員長としての最後の一年の仕事が 文部科学省の指定研究として被災三県の幼稚園の実態調査報告と この記録映画の作成だったからです。ところが 被災地の調査を進める過程で 記録映画は最低3年程度の期間を継続的に取材した上で作成すべき との考えで 委員長退任後も私が関わらせていただきました。

それぞれの幼稚園の三年間は私がここで簡単に表現できるようなものではありません。

ただ ひとつだけ記せるのは 原発事故がもたらした放射線の影響で 幼稚園は 先が見えず めまぐるしく変化する状況と限られた環境・条件のもとにおかれた中で その現実を受け入れながら 子どもと家庭に寄り添い 保育の原点に立ち返って 一日一日保育を進めてこられたことです。

その保育の原点とは 目の前の子どもの実態を見極め 子どもがよりよく育つ環境づくりと保育者のかかわりを試行錯誤しながら地道にかたちづくると共に 子どもと家族との信頼関係を深めながら 子どもの発達を保障する ということでしょうか…。

福島県の状況は まだまだ先が見えず 不安と戸惑いが強いそうです。

しかし 私は 今週出会った福島の幼稚園の子どもたちと保育者の様子から 未来に向けた息吹きを感じました。

子どもの可能性と保育の力は どんな状況でも失われないものだということを確信した二日間でした。

先程 幼稚園にもどり 今週の子どたちの様子を聴きました。(工夫いっぱいの茶話会の様子も…)

また明日からよろしくお願いします。

園長 東 重満