9月2016

プレイショップ

美晴幼稚園では2003年ころから 当時 北海道大学の石黒研究室と共同で放課後保育を利用したプレイショップ(大学院生や学生がプレイリーダーとしてあそびを企画し試行的に実践する場)を断続的に行ってきました。

この プレイショップは当時フィンランドオウル大学のペンティ・ハッカライネンやアメリカカルフォルニア大学サンディエゴ校のマイケル・コールといった世界的に著名で気鋭の教育学者や発達心理学者がネットワークを形成して 実践的保育・教育のフィールド研究の一環として行われていました。

石黒先生が立教大学に異動されたこともあり その後 しばらくの間 実践できずにいました。

3年前 石黒先生に誘っていただきスゥエーデンのヨーションピング大学で開かれたこの研究者ネットワークのカンファレンスに参加させていただいた時 15分の予定で美晴幼稚園の紹介をさせていただいたら このプレイショップに皆さんが興味を示され議論が盛り上がり 1時間半のセッションになったことから 「また プレイショップのようなものをやってみたいね…」 ということになりました。

一昨年から立教大学の大学院生と学生が 昨年から立教大学に加えて当時大学院生として中心的にかかわっていらした内田先生が教員として所属される高崎保健福祉大学の学生が 遠路 札幌まで来ていただき プレイショップが実現されています。

 

あたりまえの社会… と 美晴幼稚園

リオデジャネイロのパラリンピック競技大会が閉幕しました。オリンピックと遜色ないほど地上波でのテレビ中継があり メダルの獲得数以上に 私には大きな変化を感じる大会でした。

52年前 1964(昭和39)年の東京オリンピックの際にもパラリンピックの競技大会が開催されていたことは 最近まで報道などマスコミで伝えられることはあまりなかったと思います。(今でも開催されたこと自体知らない人も多いでしょう…)

その東京パラリンピック競技大会の選手団長を務めた中村 裕(ゆたか)医師は 当時の日本と外国の障害者スポーツ競技者が置かれている環境と生活の違いに愕然としたと伝えられています。(実はそう言う私も 現在 構成員として参加させていただいている内閣官房の2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて国が進めるユニバーサルデザイン会議の第1回会議の際に知らされました)

中村医師は パラリンピックが終わった後 外国の選手が銀座などの繁華街でショッピングや休暇を楽しみ 自国に戻っても仕事があり納税者として生き生きと生活することが保証されているのに対して 日本の選手は 大会後 施設に戻り社会とは一定距離がおかれた生活環境の中で過ごさざるを得ない実態を目の当たりにします。

中村医師はその後 日本の事実に毅然と立ち向かい 障害者スポーツの振興と 医師の立場で障害者の社会参加と社会変革に心血を注がれました。

この50年で日本はどれだけ変化できたでしょうか。社会インフラの整備といったハード面でも 社会全体の意識(心のバリアフリー)といった面でも 諸外国の進展についてゆけず その差が広がっているのが実態といえるでしょう。

国の会議では様々な障害者団体から 社会変革においては学校教育の重要性が指摘され その期待が述べられる一方 必ず 幼児教育・保育と高等教育(大学・大学院)の制度や現状 そして現場の意識の遅れが厳しく指摘されます。

事実 日本の幼稚園・保育所 大学での受け入れ段階からの不当な差別的対応は従前から変化の兆しさえみえず 今なお 教育の機会さえ平等に得られない現状にあります。

加えて 入園(所)・入学後も合理的配慮といった必要な配慮や支援を受けることばかりでなく 他の関係者から理解を得られず肩身の狭い思いを強いられる現実も否めません…。

ノーマライゼイションを実現するには当然大きな社会的コストがかかります。それは財政的なコストばかりでなく 互いに認め合い 互恵の関係を豊かにする 目に見えないコストもかかります。(だから あたりまえのはずの保育がひろまらないのだろうか…)

美晴幼稚園は在園児の30%がなんらかの支援を要する子どもたちです。これまでもこれからも 美晴の保育理念と保育形態を理解して美晴での保育を希望する子どもと保護者は 園の判断ではなく当事者の判断で就園が可能な幼稚園であり続けます。

一人一人の発達の在りようが際立つ多様な子どもたちで織り成される保育は カオスモスの運動体です。

つまり 多様さと未熟さゆえの混沌さと 赤ちゃんから備わっている自然の一部としての生得的秩序とが絶え間なく絡み合いながら 互いに刺激し影響しあいながら成長・発達の道程を進む保育…。(ん〜難しい!)

美晴の保育は完成形があるというか 正解or不正解(◯✖️)ではかれる保育 ではありません。絶え間なく 子どもと子どもの集団の変化(変容)を理解し その事実に即しながら試行錯誤しながら”最適解(よりよい状態)”を求め続ける保育です。

だから 保育者も保護者も その時々では これでいいのだろうか? 間違っていないのか? と不安や心配がつきまとうし 揺らぐ…。

美晴の保育は 長い時間を要して 子どもがじっくりしっかり育つ保育。並大抵の覚悟では続けられないし 保育者には高い使命感と倫理観が求められる…。

そんな美晴幼稚園に入園を希望してくださる子どもと保護者が今年もたくさんいらっしゃいます。もしかすると 希望されるすべての子どもと保護者に入園していただくことが かなわないかも知れません。

今月末を目途に 募集人員枠を最終的に決定しなくてはならないのは 悩ましいかぎりです…。

【園長 東 重満】

 

秋休み

美晴幼稚園は今日から9日間の連続した秋休みです。

美晴は3期制の教育課程で保育を進めている幼稚園ですが 一年間の中間地点であるこの時期にまとまった休みをとって 後半に切り替えることは 子どもにとっても保護者にとっても そして保育者にとっても良い機会だと考えています。

保護者(特に小学生などの兄姉がいたりお仕事をされている)の中には子どもとの過ごし方に戸惑いや不都合があってできれば無いほうがいいなぁ と思っている方もいることは秋休みを設ける前からわかっていますが 美晴幼稚園で秋休みをとる意味はもう一つあります。

今年度にはいってから なんで園長はブログにまでその様なことを書くの? と思われるまでに 現状の美晴の保育者の至らないところ 改善しなくてはならないことを記しています。

そのことは保育職ばかりでなく 異業種を含めどこの職場でも 社会人としてそなわっていなければいけないものばかりだからです。

毎日 大切な子どもの命を預かり だたそのままの姿でお返しするのではなく 育ちの一端を担い発達を支援する専門職の責任は計り知れないほど重いものです。

人間としてもまだまだ未成熟な若い保育者がその重責に毎日耐え 真摯に子どもと笑顔で接するのは並大抵のことではありません。自分の非力や至らなさゆえ(しかも園長は美晴の園長にもかかわらず保育者のがんばりを認めたり褒めたりしないので) 自己嫌悪に陥ることもあるでしょう…。

美晴は夏休み中も 小学生や園児のデイキャンプがあり 研修や研究に集中的に取り組みます。お盆休みはいただいていますが 帰省や連続的に休暇をとってリフレッシュすることは難しい面が否めません。

秋休みを設けている意味は 美晴は環境への適応が難しい子どものことも考慮し春のゴールデンウイークは暦通り保育し(開園記念日なども学年暦に入れず) 夏休みや冬休み中には登園日を設けていますので 一年の折り返し時点にあたる秋のシルバーウィークは ご家庭の予定にそって切り替えの一週間にしていただくことです。そして もう一つ 保育者がしっかり休暇をとって 日頃できない体験をしながら リフレッシュして 後期の保育にのぞむことです。

今年の秋休みも 遠くへ旅したり 思い思いの過ごし方で保育から離れた時間に身を置くようです。

このような時間は 絶え間なく緊張が連続している保育者には必要だと思います。どうかご理解ください。

と書きながら 園長は秋休み中 保育園でためてしまった仕事をしながら 連休明けに待っている 集中講義や国の会議の準備をします。

幼稚園も保育園も職員の努力で良い方向に進化していることが 休む遑がなくてもストレスにならない所以なのでしょうね。

そんなわけで 秋休み中 何かあれば担任ではなく 休みなく仕事をしている園長へ遠慮なくお電話ください。【東園長携帯:090−8899−3123。美晴の家保育園:011−818−0380】

追伸 電話しずらかったり難しい状況の時は ショートメールやメッセージでもお受けします。

秋の収穫祭

15日のブログにお月見会に続く収穫祭のことが掲載できませんでした(ドンリュウは面談中だったので)。

翌日の敬老の集いの日の朝 子どもたちは 木の実やまつぼっくりでつくった歓迎の看板を用意したり 写真にあるように年長さんが中心になってつくったお神輿を みんなでかついで玄関に持ってきて園庭を一周して玄関前に飾りました。

そして 階段の踊り場の壁には収穫祭で年長青バッチグループのお友だちが発表したポスターが掲示されていました。

収穫の時 お母さん方にお手伝いいただくばかりで 子どもたちが大きさ(かたち)や重さを実感して比べるなどして 数量の概念を直接体験する様子が少ないという反省をもち お泊まり会の収穫ではしっかりその反省をいかして 子どもが自分たちでしっかり選別し調理に適した大きさを考えることができました。

そんな 少しの保育者の観点や具体の配慮が ドリル学習のような平面的な学習ではなく 本当の意味で情動をともなった脳を刺激する体験的な学びに繋がるのでしょう。子どもの傍に保育者(大人)がいる意味はとても大きいのです。

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敬老の集い

今日は美晴幼稚園に おじいちゃま おばあちゃま をお招きしてクラスでふれあう機会をもたせていただきました。

おじいちゃま おばあちゃまのなかには 子どもたちに鈴入りのお手玉を持参していただいたり 紙鉄砲や弓をつくってきてくださるなど お心遣いいただきながら たくさんたのしませていただきました。

今日は 美晴幼稚園のお友だち全員の おじいちゃん おばあちゃんになっていただき 本当にありがとうございました。

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てつ君元気でね!

すみれ組 青バッチクループの てつ君が福井県にお引越しするため 今日で転園することになりました。午後の飛行機に乗って行くてつ君はお月見会の前の朝のホール集会で美晴幼稚園の歌を歌い みんなにご挨拶しました。「さいごまでいっしょにいたかったけど…」 卒園するまで青バッチのお友だちといっしょに過ごして大きくなりたい ということでしょうか…。てつ君の思いが込められた一言で 感動しました。

その後 お友だちみんなからのプレゼントをもらい みんなと挨拶を交わしました。

玄関では「またね」といってわかれました。もっともっと大きくなったてつ君に会える日を楽しみにしています。

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今夜は本当に十五夜?

昨日 年長青バッチグループが豊平郵便局を見学させていただき お留守番していたお友だちもハガキでお手がみを書いて みはるポストに投函しました。

今日は暦の上では十五夜。でも例年1日ズレるくらいの満月が今年は明後日の17日。今晩 月がみえてもまん丸くはみえないかもしれませんね。

幼稚園ではお月見会で 月の満ち欠けやお月見の由来を お話しやペープサートで聴き かげふみの歌を歌いました。その後 おみこしワッショイをして年長青バッチさんが収穫の発表をしました。

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おたんじょうびおめでとう!

今日が6歳のお誕生日のお友だちにプレゼントをつくると言って 平和公園の忠霊塔の裏で大きな樹から落ち始めたドングリを 喜々として拾っている女の子たちがいました。

まだ 時期が少し早いのか 青みが残るどんぐりもみられます。

後から お誕生日を迎えた本人も交えて ドングリ拾いを続けました。そんな 素朴なお祝いの気持ちの交換は素敵だなぁ…

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「福住の丘」さん訪問

介護老人保健施設 福住の丘さんからお招きいただき 年長青バッチグループの子どもたちが訪問させていただきました。

お歌を披露したり 一緒に手あそびやお歌を歌ったり 折り紙でつくったお花をプレゼントしました。最初 とっても緊張していたようで 歌の声も聞こえないほどだったようですが プレゼントをひとりひとり手渡すころにはいつもの姿になって話かける様子もありました。

おじいちゃん おばあちゃんの中には 子どもたちとの交流に涙を流す方もいらして 子どもたちも感じることがあったでしょう。

貴重な機会をいただき ありがとうございました。今週の金曜日は美晴幼稚園の敬老の集いですね。

 

サトシンさん絵本ライブ

昨年に引き続き 絵本作家のサトシンさんにご来園いただき絵本ライブをしていただきました。いろいろな手法?で読み語り(歌い)していただき あっという間の一時間でした。

サトシンさんは 大地震で被災した熊本で8日間で20本以上の絵本ライブをボランティアで行い 11月にも招かれえているそうです。

そういえば ドンリュウがサトシンさんを知ったのは 東日本大震災の文部科学省の委託研究調査でお世話になった岩手県立大学の井上先生が結んでくださったご縁です。感謝。

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