どんりゅう園長のひとり言

青森市の研修会で…

一昨日 ディキャンプが終わってから そのまま千歳空港へ行き飛行機で青森に移動し 昨日 青森市私立幼稚園協会の冬季研修会があり講座の一部を担当させていただきました。

園長が担当する講座に先立ち 青森県発達障害者支援センターの副所長で発達障害サポートコーチ(青森県は「障害」表記です)の 町田先生の講演を受講者と共に聴講させていただき 多くの確認と学びを得ました。

ところで 今年度は 福島県の教員研修大会 東北地区6県の教育研究大会 そして 青森市の研修会と3度東北の研修会のお手伝いをさせていただきました。この様にして 東北の研修会のお手伝いをさせていただいて10年以上経ちますが そこで 感心することは 保育者の身だしなみと礼儀作法の見事さです。

服装はきちんとしていて(夏の暑い盛りでも必要以上に肌を露出したりサンダルを履くような様子は無く) いわゆる目に余るような色に髪を染めたり 過度な化粧をして受講するような方は皆無で 見慣れない者へも先に挨拶する礼儀正しい姿勢は どの園の保育者にも一貫しているうように感じます。(おまけでいえば レポートや試験答案の字も丁寧できれいです)

この様な姿勢は講座の中にも滲み出るもので 居眠りをするようなことも皆無で 真剣なまなざしと程良い緊張感の中で気持ち良く講座を進められるのもです。

しかし 北海道では 公私立問わず幼稚園の保育者の中には服装は乱れがちで 身だしなみや礼儀作法も残念ながら他業種からみると意識の低さは否めない方も少なくありません。 この傾向は 他校種の教師にも共通しているように感じます…。

このようなことは 必ずしも直接保育(教育)の指導に関係するわけではありませんが 厳しい社会情勢の中で幼稚園教諭や保育士の処遇改善が国の施策の中で検討され実行を目前にする時 ふり返り見直し 自ら正す必要はあるでしょう。(もちろん 子どもの命を預かり成長にかかわる保育者として至極当然のことではありますが…)

そういえば 今年度 短大の授業で保育園実習からもどったばかりの学生が「茶髪でつけまつげバシバシの保育士に自分の子どもは預けたくないなぁ…」と話していたっけ。

美晴の保育者はどうか。少し反省しなければいけないかも知れません。

「保護者」の姿勢

今日 午後から月寒小学校の学校関係者評価に参加させていただきました。

まず 校長室でとっても美味しい給食をいただき(今週は人気メニュー週間らしい) 速足ではありましたが全クラスの授業を観ました。

昨日・今日は保護者の授業参観日でもあって 今日は高学年の保護者が参観されていました。そこで とても感心したのは 高学年の保護者の参観態度が素晴らしいことです。

高学年になるとどうしても教室に入らず 廊下で保護者同士雑談や私語が交わされがちなものですが 今日は廊下にいる保護者は僅か しかも 私語を交わす方は皆無で 廊下に掲示されたり展示されている子どもの作品やテストのふり返りノート 授業で取り上げている図書などをみている保護者がほとんどでした。

教室内でも我が子ばかりでなく クラス全体に目を向け 担任の先生と子どもたち 子どもどうしの様子にも意識を集中させて 授業の進展をしっかり見守っていました。今日の月寒小学校の高学年の保護者の姿勢は 他の学校や幼稚園(もちろん美晴も含めて)の保護者にも是非見習ってほしい姿でした。(けしてお世辞ではありません)

授業(保育) あるいは 子どもや子どもたちの様子の断片だけ切り取って 全てが分かったつもりになることほど 我が子にも他の子どもたちにも悪影響を及ぼす原因になることはありません。最近 美晴の中でその様なことを伝え聞いて危惧していることもあってか 今日の保護者の様子には学ぶこと気づかされることが多かったです。

子どもと共に 親が「保護者」として育つ事は 長い時間軸での 我が子をはじめ 子どもどうしの成長と 学校や幼稚園の教育運営の充実に 大きな意味があります。

窯入れ

年長青バッチグループがこしらえたお皿と 職員研修で先生たちがこしらえた作品を素焼きするためにガリバーの陶芸窯に入れました。

素焼きがおわったら 釉薬をのせて再度焼成します。

ついでに 先週 ガリバーのガラスが割られていたので(地面に近い一番小さな窓ガラスですが…) 夕方 運転手さん方も作業しない時間帯の様子をうかがっていたら 専門学校の巡回指導の先生とのお約束をすっかり忘れてしまいました…。本当にスミマセン。

幼稚園に戻って裏口から入ろうとしたら ユウコ先生がドンリュウが約束をすっぽかした上に帰りがあまりに遅いので 捜索に出るところと出くわしました。(先週 眼球出血(何も問題ないものですが)したので めずらしく心配したのかなぁ)

その間に卒園生とお母さんがスキーを届けてくださっていました。せっかく来てくれたのに会えなくてごめんね。(ワクワクに向けたカンファレンスで食べた抹茶メロンパンとってもおいしかったよ。)

朝礼で

私が父の急病もあって 急遽 美晴幼稚園に勤務するようになったのが1991年の5月。

その年の札幌市私立幼稚園教育研究大会の記念講演の講師は 乳幼児の発達心理学がご専門で お茶の水女子大学で長く教鞭をとられた後 日本で唯一の私学の特別支援学校であった愛育養護学校に転出され現場で保育にあたられていた 津守 真 先生でした。

演題は「倉橋惣三と私の保育論」で 現代の日本の幼児教育の基礎を築かれた倉橋先生の保育論が中心のお話しだったのですが 講演の冒頭 津守先生が当時担当されていた子どもとのエピソードを語られました。

「この会に来るため出かける朝 担当している子どもが 滑り台の上で嘔吐しました。どうしてなのかいろいろ考えてみたのですが きっと この子はさまざまなことを受け入れきれずに葛藤していて そのことが嘔吐というかたちであらわれているのかと…」

なぜ 津守先生が市民会館に集まった市内の1,000名をこえる保育者にその事を語られたのか 当時の私には理解できず 20年の間 こころにひっかかっていた 大きな問い でした。

数年前のある日 美晴幼稚園で子どもの様子を見ている時 すっとその問いの答がわかりました。

人間が 人間関係や場に適応するということは その個人が他者(周囲)に何らかの働きかけをすることからはじまるのではなく その人が他者(人や場など自分以外のすべて)を受け入れることからはじまる ということ…。

このことを腑におとしたうえで 子どものこと 子どもたちのことをみると いろいろな意味で視野が開け 可能性も開けてきます。

今日の職員朝礼で 私から職員全員に このことのエッセンスを話しました。

私が20年のキャリアの中で気づいたこと すぐには理解できないかも知れないけれど 今朝 話しておきたかったのです。

 

あしたは はれるといいね!

明日は予定を変更して みつば組とつくし組がモエレ沼公園へ出かける予定です。

9月にはいってから 天候が不安定な日が多く つくしのお友だちは2度モエレ沼公園へ出かける予定が延期になってしまいました。

先週は秋の円山動物園遠足に向けて それぞれてるてるぼうずをつくったので 明日はきっと晴れる いえ 晴れて欲しいなぁ…。

秋らしい高い青空のもと イサムノグチの広大な芸術作品でもあるモエレ沼公園を体感したいものです。

 

答案の採点で学ぶこと

夏休み中 担当させていただいた 中国地区(岡山、広島、山口、島根、鳥取)の免許更新講習の試験答案の採点を 締め切りにせまられてなんとか終えることができました。

今日も深く実感したのは 10年 20年 30年と現場や一端現場を離れ子育てが一段落して復帰した(これから復帰を目指している)保育者の 現状への洞察の鋭さと深さや 懸命な努力と工夫 そして これからの展望にたいする意気込みの「凄さ」です。

今年も 京都 岡山 秋田の地で それぞれの地域の保育者を中心に講習を担当しますが 受講している保育者の真摯な姿勢や真剣に書かれた答案の記述に 地域を問わず講師の私の方が最新の問題を認識し その中で全力を尽くす現場の保育者の実態に多くを学び 勇気をいただくのです。

今日も胸を熱くしながら答案の採点をし 終えた瞬間は 清々しい気持ちになりました。

どんなに厳しい状況でも 前を向いて努力し続ける保育者は尊いなぁ …。

受講者のひとりが 「健康第一。体調を整えて頑張ります!!」と答案の最後に書かれていました。日本の多くの地域では 明日から2学期が始まりますね。そのこと 自分にも言い聞かせながら 保育者の健闘を祈っています。

 

教員免許状更新講習

学校の教員は 公私問わず10年毎に教員免許を更新しなければ 教員として継続して教育に携わることはできません。

幼稚園の保育者(教員)も例外ではなく 35歳 45歳 55歳になる年度末までに 文部科学省が認定した30時間の講習を受講し試験にパスした証明書を添付して 都道府県教育委員会に更新の手続きをとることが義務づけられています。

今日(22日)は中国地区(鳥取 島根 山口 岡山 広島)5県の私立幼稚園教育研究大会でおこなわれた必修講習12時間講習のうち 2コマ6時間の講師をさせていただきました。会場は岡山県でしたが 受講者には隣県である広島県から参加された先生もいらして 講習の前に土砂災害の対応のために講習中に電話対応をする可能性がある旨 事前確認を受けました。

どこかで かならずつながりがあるものです…。

それぞれ30分の試験があるので 6時間の講習のうち 実際に講義するのは5時間です。パワーポイントのスライドや資料映像の準備はあらかじめ済んでしましたが 昨晩は2時頃目が覚め スライドの入れ替えを含めて講義の準備をしました。

免許状更新講習の講師は 試験問題の作成を含めて重い責任があります。それは 現場の保育者に これまでの経験をふり返り 明日から10年先を見据えた問題提起ができるような機会を提供しなくては意味がないと思うからです。

そのような緊張感で仕事ができる機会を与えていただけるのは ありがたいことです。

 

 

リスペクト

今日は会津若松市で開催された 福島県私立幼稚園教員研修大会に分科会の助言者として参加しました。
担当させていただいたのは 「子どもの人権・健康・安全」の分科会…。

福島県は東日本大震災以降 津波の被害に加えて 福島第一原発事故により 目に見えない放射線による影響と絶えず向き合わなければならない状況が続いています。

日頃の保育者の苦労は計り知れませんが 今日の研修会には ほとんどの園が事前のそれぞれの分科会のテーマに沿ったレポートを提出した上で参加し 問題提起を担当された園は 二十数年の保育経験のあるベテランの保育者が子どもの姿を一年にわたって丁寧に記述したレポートに基づいて素敵な発表をされていました。

レポートの中には 原発事故への恨みのような記述は 私が読んだかぎり一つもありませんでした。

そのような厳しい状況のもとであっても 毎日 向き合っている子どもについての深い思いと保育者としての使命感に根ざした 日常の問題を丁寧に整理されていました。見事でした。

今日も尊敬の念をもって 福島県の保育者の皆さんに学ばせていただきました。

 

「優しい保育者」ではなくて…

美晴幼稚園ではホームクラスと学齢グループ毎に保育実践をノートしています。

週末 その週の保育記録を読むのがドンリュウ園長の大切な仕事です。

今日もその保育記録を読んでいると 「『優しい保育者』ではなくその子どもにどんなかかわりが求められているのか 発達にとって何が大切なのか しっかり整理して保育にあたりたい…」という記述がありました。

今年度 各クラス2名の担任に加えて特別支援コーディネーターおよびメンターとしてそれぞれ1名の保育者を配置したこともあって 美晴幼稚園としては異例な4名の新卒の保育者がいます。

前記の記述はその1年目の保育者によるものです。

ドンリュウも副園長として着任した1年目 卒園間近な年長児数名と話していて 「ふくえんちょうせんせいのこと みんなだいすきだよ…」といわれていい気分になっていたら たぶん悪気なく「うん でも やさしいだけだから…」と 他の女の子にサラリと言われました。

脳天を大きな鉄のハンマーで殴られたような衝撃がありました。

子どもの思いに寄り添ったつもり で なんでも受け入れているだけの大人は 本当の意味で子どもの成長・発達を支える人間ではありませんよ と 子どもたちに教えられた というか 宣言されたのでした。

手前味噌ですが 今年の新人4人はそれぞれ個性的ですが 保育者として優れた資質をしっかり持っています。

かつて 教育実践家の斉藤喜博先生は 教師の資質として

・頭が良いこと(教師として学びを怠らないこと)

・育ちが良いこと(素直で 謙虚であること)

・美人であること(人としての在り様が その人の表情をつくること)

の3つをあげています。

4人は この3つの資質を十分に兼ね備えています。

子どもの いま ここ に学びながら もっともっと大きな保育者になってもらいたいものです。

 

根っこは大事

とっても個人的なことですが ドンリュウは金曜日に足掛け3年がかりで根っこから折れてしまった前歯の治療を終えました。

歯医者さんが年明けの1月から6ヶ月歯の根の治療を続け なんとか差し歯の台として耐えうる状態にしてくださいました。

幼児教育と同じように 根っこは大事だと痛感しました!

ところで ドンリュウは高校2年生の夏に野球の硬球があたり1本見事に折れてしまい ブリッジをかけた歯があるため 今回治療した横の3本が既に自分の歯ではありませんでした。

当時 ドンリュウは北海道の最強豪校の野球部に所属している高校球児でした。

高校野球は夏の大会を終えると代がかわって 1・2年生の新チームで秋の大会にのぞむための練習が始まり翌年春の甲子園選抜大会出場を目指します。

夏休みの練習は レギュラーポジションの獲得 最低でもベンチ入りのメンバーになるため死力を尽くします。

一塁手であったドンリュウ少年は 毎日 数百本のノックを受けていました。夏休みの練習も佳境にはいったころ グランダー(ゴロ)の捕球技術が未熟だったため 自分たちが丹念に整備したグランドであってもイレギュラーバウンドしてしまうボールを幾度となく顔面で受けて いくつも青タンになっていました。

そして そのうちの一球を前歯で受けてしまったため 根からポッキリ折れてしまったのでした。

しかし そんな努力のかいあってか なんとかレギュラーである背番号3番のユニホームを勝ち取って秋の大会に出場しました。

いよいよ甲子園出場をかけた全道大会の決勝戦。9回裏1アウトまで2点をリードしていて 完全に打ち取った打球が転がり ダブルプレーでゲームセットになると思った瞬間 誰の目にも明らかなイレギュラーバンドがショートを守っていたチームメイトの頭上をこえたことをきっかけに逆転負けを喫してしまいます。

翌春の甲子園選抜大会は 前年の高校野球の選手権大会や 社会人野球の都市対抗で 北海道のチームが活躍したこともあって 北海道から2校が選ばれ ドンリュウも甲子園のグランドでプレーすることができました。

日本一といわれる甲子園球場でも 一日数試合おこなわれるグランドは荒れ どうしてもイレギュラーがおこります。内野手は秋の大会の教訓もあり できる限り自分のポジションの周辺は自分のスパイクで凸凹をならしていました。

実際はグランドの荒れによるイレギュラーバウンドは防ぎようはないのですが 自分たちの最善は尽くしておきたかったのだと思います。

夏の選手権大会は あと一勝で甲子園という南北海道大会の決勝で惜敗しました。

最終回 一打同点となる場面で 相手チームのセンターがキャッチャーへダイレクト返球し 2塁走者であったドンリュウは同点のホームベースを踏めずに憤死してゲームセットとなりました。キャッチャーにタッチされた脇腹の感触は今でもハッキリ残っています。

今日 娘の学校への往復 南北海道大会で歓声わき上がる円山球場のわきを通りながらそんなことを思い出していました。

ドンリュウは 高校野球生活を通して 甲子園出場という夢を叶えたことよりも 2つの惜敗と 共に夢の実現に向けて努力した仲間と過ごした毎日のことの方が大切な思い出として記憶され 今の生活や仕事にいかされています。

チーム全体が公式戦でのエラーが少なかったのですが ドンリュウのへたくそなフィールディング(守備)は努力のかいあってか 華麗とまではいかなくとも堅実なフィールディングとなって 公式戦の守備機会ではエラー0を通すことができました。

イレギュラーバウンドは誰の責任でもなく 不条理に影響をあたえます。そのことを言い訳にするのではなく ましてや恨むのでもなく 全てを自分のこととして受け入れ 毎日の積み重ねで知識と技術を身につけ でき得る限りの準備と心構えで不測の事態に備えることの大切さ…。

毎日の捲まず撓まずの努力は 絶対にその人を裏切らないということ…。

これらのことは 毎日 命を預かり 命と真摯に向き合う 保育の仕事に通じます。

母校はこの夏 優勝候補の筆頭といわれ 順調に勝ち進んでいます。先輩としては 全国選手権大会の出場を果たし優勝を目指してほしいと応援していますが それ以上に 高校野球生活を通して得られた思い出と経験をこれからの人生にいかしてほしいと切望します。