専門家としての保育者のトレーニング

水曜日 バスに乗車し準備が整い帰りバスの出発を待っているところにどんりゅう園長が運転席に乗り込もうとした時 一人の子どもが「あっ えんちょうせんせい はいってきた…」と言いました。すると添乗していた保育者が「園長先生 入ってきた?」と言い返しました。

「はいってきた」という話し方は この状況では正しい用法とは言えませんが 間違いではありません。この時 保育者としてのぞましい対応は 子どもの思いや話に同調しながらも その状況に応じた話し方 例えば「そうだね 園長先生も乗ってきたね」と応じることです。

今朝 コンビニエンスストアーの表看板で低いタイプのものを見つけた子どもが「このコンビニのかんばん ちいさい…」と言いました。 そうしたら 添乗していた保育者が「んっ ちいさい… あっそうか そうだね このコンビニの看板低いかも知れないね…」と話し返しました。そうするとその子どもは「そうだよ このかんばん ほかのコンビニのよりひくいよ…」と応じました。

この様な何気ない会話の中で 子どもはことばづかい用法を理解して行きます。

先日の参観日で 子どもの見方や理解のあり様は 一面的ではなく多面(多角的な視点)でとらえることが大切だけれど 実際はなかなか難しいもの。しかし 私たち保育者は専門家としてトレーニングしているから可能なんです…。という話をしました。

私たち保育者は専門的な知識に基づくことはもちろんのこと 毎日 子どもたちの実態から学んでいます。つまり 私たち保育者のトレーナーは子どもたち。意識をしっかり集中させて 子どもと真摯に向き合えば ほとんどのことがわかってきます。

それは 子どもの思い 二面性 … けんかやいざこざには双方に問題やそうせずにはいられない理由が必ずあるということ 等 一見してとらえることができる様な表層的な理解ではく 時間をかけて継続した変容をたどりながら少しずつみえてくる深層的な理解ができるようになるものです。

このことは 保育者として子どもとの適度な距離感で俯瞰して(鳥の目で)子どもに向き合うことができてこそ また 多様な子どもたちと出会い深く関わることで はじめて可能になるのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

この一枚は 教育実習生の設定保育場面での姿です。子どもたちのまっすぐな視線の中で 彼女のひたむきさが伝わってきませんか?。子どもとの臨場感ある応答の中で保育者として 少しずつ磨かれて行きます。