子どもの自由(想像)の窓を開けるために

今日(4・19)のポートフォリオご覧になりましたか。

どの項にも美晴の保育のエッセンスが込められていますが 「 あおばっち〜のはじめての え 」 の保育者の添え書きはとっても大事な観点なので 園長が加筆させていただきます。

学校や保育の場で 文章や絵を描くとき 「自分の書きたい(描きたい)ことを自由にかいていいよ…」と 子どもたちに伝えることがありますが 実は この教示は子どもにとって難しいことでもあります。

「自由」な場面や物語を 想起してイメージ(心像)を広げられ 具体に文章や絵に表現することを容易にできる子どもや時もありますが 実際は スムーズにいかないことの方が多いといえます。

15年ほど前 東京のワタリウム美術館でイタリアのレッジョエミリア市の保育実践展があり その企画の一環で 谷川俊太郎さんを招いた2〜30人での小さなシンポジウムがありました。その会で谷川さんが「よく学校などで 10円玉が机の上を転がる様子を自由に擬態(音)語にして書き表せ なんてことをしますが 子どもたちは先生から『自由に…』と言われた瞬間に思考と手が止まってしまうものです。つまり自由ではなくなる…。そんな時先生は 『 ”ちゃり〜ん” じゃなくていいからさぁ…」といって子どもの自由の窓を広げてあげることが大切だと思うんだ…」と話されていたことが強く印象に残っています。

今日の保育で「くるま」と「人(自分)」のアイテムを用意する ことが「ちゃり〜んじゃなくていいからさぁ…」と同じで 一見子どもの考えに制限を与えているようですが その反対で 「自由の窓を広げてあげる」 保育者の配慮と準備なのですね。

あそびも話し言葉ではない伝承で 子どもたちをつないでゆくんだなぁ。

【園長 東 重満】