秋休みを迎えて

今週は秋休みで幼稚園はお休みです。一年間の中間にシルバーウィークにあわせてとらせていただいています。夏らしい保育を夏休み中に夏季保育として行うことや 夏休みを含めて園行事や研修で休暇をとれない職員のためにも このようなかたちをとらせていただいています。

さて 一年の前半をふり返ると 7月の私たち保育者の過失により起きた出来事は 子どもの安心・安全をまもるという 最も重要で優先すべき業務が完全に遂行できていなかったことに起因するもので このことに対する検証と対応の確認 そして 不断に実行するための会議と研修を重ねた上で 夏休み明けからの保育にあたっていることを 最初にお伝えします。

その上で 中川教頭をリーダーとした保育者のチームが 周囲に支えられながら 美晴の多様な子ども一人一人のより良い理解者となるための努力を重ね それぞれ課題を持ちながらも みんなの思いがかない 幸福感を感じながら毎日を過ごす保育を実現しています。

多様な子どもが織りなす美晴幼稚園の生活には 意(味) 友(情) 信(頼) そして保護者には及びませんが無償の愛がそろっていることで 一日一日つながる毎日を送ることができます。

言い換えると 美晴幼稚園の保育は子どもたちを行動主義的な枠や仕組みや関係性で 支配しコントロールするものではないので 幼稚園の設えや保育者のスキルではなく 保育者の人間性やかかわり方 保育者がつくりだす意味や保育の実態が 子どもをつなぐリソース(資源や基本的な条件)となります。

夏季保育二日目は札幌市で開催された幼児教育実践学会の施設公開でもあり 私が目標とする幼稚園のひとつでもある金沢市の幼稚園の園長先生が 美晴の子どもたちのことを理解した上で「この(こぐまの森ガリバーの広い自然)環境で多様な子どもたちがこのようにあそべるって素晴らしいですね」と感心されていました。そして 非公式でその日に視察にこられた文部科学省の施設整備指針策定幼稚園部会のメンバー(あらゆる学校種の現場を視察し教育施設の指針を示してきた)が 「夢のような幼稚園ですね」とか「子どもたちのあそぶ様子に感動しました(特にどこの場でも保育者が子どもを信じ”待つ”ことができていた)」と伝えてくださいました。

昨年度の札幌市私立幼稚園連合会の公開保育では他園のベテランの保育者から もっとこのような子どもとのかかわり方を といった技術的な指摘を受けました。間違えではないのですが そのような技術をもったベテランの保育者がそろって美晴幼稚園で保育をしても 今の美晴幼稚園の保育は実現できません。

未熟でも 子どもと同じ地平にたって 同じこころの目線やまなざしで子どもに向き合いながら 毎日を過ごすことで 少しづつ 少しづつ 子ども一人一人との真の信頼関係が結ばれて行く…。そのことが子どもの家庭に次ぐ安心感を生み 他者(人やモノや出来事)に関心を寄せ 信じ合い支え合う(双方向に)ことができるようになります。

このような関係性の基盤があってはじめて あそびを通した学びが成立し じっくり しっかり 成長・発達できるのです。

先日まで教育実習に来ていた学生は 皆それぞれにとても感受性豊かで優秀な学生でしたが 彼女らは美晴幼稚園の子どもと保育者からそのことをしっかり感じ取ってくれたようです。

美晴幼稚園の保育は 子どもも保育者も誰一人かけても実現できないバランスの保育です。

人間としても保育者としてもまだまだ未熟で成長すべき者の集まりですが 園長としては 今の保育者チームを誇らしく思っています。

後半の3月までの間 保護者のご理解とご協力をいただきながら より充実した実り豊かな保育となりますよう 力を尽くしてまいります。

園長 東 重満

※ この秋休み期間中も 美晴の家保育園との連携のカギとなる 一時預かり保育を担ってくれている織田主事と池田先生の支えにも感謝します。

追伸 秋休み中も園長は美晴の家保育園か幼稚園で仕事をしています(大学の授業もこの週からはじまります)。休日を含め何かありましたらいつでも 園長携帯:090−8899−3123 へお知らせください。