保育のふり返りと非認知力

週末 園長は保育記録と職員会議の会議録に目を通して一週間の保育をふり返ります。

 

01-27-701-27-901-27-8

 

 

 

 

 

 

先生たちは冬休み中に話し合い 今週から保育後の職員会議の持ち方を少し変えて これまでの反省や確認に加え各クラス5名の子どもに焦点をあててその日の様子をふり返り共有することにしたようです。

冬休み中 お家でトイレでの排泄ができるようになった子どもの幼稚園での排泄の促し方を考え 出る出ないにかかわらず10数える間便器に座ることに取り組み 週の終わりに9のところで上手に排泄できたこと…。家庭の生活と幼稚園の生活がつながり本人の自信も深まるきっかけになったことでしょう。

年長青バッチグループでは 手元の細かなところが見えずらい子どもが 自画像の色塗りに躊躇している様子があったので 保育者がかたどった全身の輪郭線を手でなぞりながら取組んでみたところ 筆が進んだこと…。

それから カリキュラムマネジメント(絶え間なく保育の改善をはかる)の面からも会議や保育者同士のコミュニケーションが発揮されていています。

金曜日の劇あそびでも 年中黄バッチグループでは絵本や紙芝居の読み語りばかりでは物語の世界にはいりずらい子どもも一緒に取組めるように 保育者が演じながらお話の内容を展開することで みんなが劇あそびにはいれたこと。

ピンクバッチグループではお風呂に新聞紙をお湯に見立てたり 豆しぼりの手ぬぐいを小道具に使うことで 劇あそびを楽しめたこと。(その体験が早速生活にいかされたのか 給食後 丁寧にタオルで机を拭く様子がみられた?)。

年中も年少も 保育者のアイディアや準備が 子どものファンタジーと現実の世界がつながるのを助け みんなが参加して劇あそびが展開されたのでしょう。

このブログに書きましたが 園長が豆まき会の”ます”制作に疑問(中川先生と安保先生には教育実習生以前の問題と言ってしまったけれど)を投げかけたその日 的確な視点で評価と反省を行っていました。園長が投げかけたのは 年長は数量の概念が充実しているので ますを豆まきのアイテムにとどめるのではなく 枡がもつ計量器としての役割を踏まえて 同じ教材で一斉に制作しなくても それぞれの子どもの数量の概念がいかされるものづくりの仕方があるはず…と。

子どもたちはごっこあそびなどの場面ではすでに量を計り一杯二杯と数えることを楽しんでいるので 自分が行っていることの意味が数量の概念とつながってゆきます。そのような意図やねらいを保育者がもって一つ一つの保育を紡ぐことで 保育が豊かになり子どもの育ちにつながります。(美晴の保育者はそんな保育ができるので…)

一人一人 一場面一場面を取り上げながら 丁寧にふり返り 次の保育の手立てを考えています。

それから ガリバーにいたカタツムリを夏休みから飼って?いますが 今なお元気です。そのカタツムリに餌をあげながら 図鑑と見比べて観察した様子なども 今日の一枚のポートフォリオに綴られています。

01-27-1

01-27-2

01-27-3

01-27-4

 

 

 

01-27-5

 

01-27-6

 

 

 

 

 

 

 

 

そして 金曜日の保育後 中川先生と札幌市私立幼稚園連合会の研修会に参加し 幼稚園教育要領の改訂委員で全日本私立幼稚園幼児教育研究機構の理事長でもある京都市の光明幼稚園園長 田中雅道先生から「幼稚園教育要領改訂の根底となる学力観」をテーマにお話を聴きました。

その中で非認知力の獲得について ハーバード大学の研究(5歳児のごっこ場面の研究)を紹介しながら 自分の考えや思いの発信と お友だちの考えや思いの受けとめを通して 「妥協点をみつける」力が育まれいて その他者と折り合いをつけられる力(非認知力のひとつ)を獲得することで 社会人となった時に 企業や社会で認められ活躍することが 様々な研究で明らかにされていることをお話になっていました。

海外の様々な研究から 幼児期の学びの基本は ごっこあそびなどの 素朴なあそびの中にあること 子どもと保育者の対話的な関係性が保障されていることが重要であると報告されていることを強調されていました。

美晴の保育者の志向と日々の取組は 世界の流れや教育要領の改訂の趣旨と基底を一にしています。

また 教育要領の改訂とあわせて強調されている カリキュラムマネジメントの充実や 保育者一人一人の保育評価と発信に映像をいかしたポートフォリオ等を活用することも 美晴ではすでに取組んでいて新たに追加される仕事はありません(充実してゆく努力は欠かせませんが…)。

美晴の保育者には自信をもって前に進んでほしいと思います。【園長 東 重満】