保育はこうでなくては

 ある日のこと、あるクラスから焼きたてのホットケーキをちょうだいしましたので、あらかじめ、買いだめしてあった“ミッケ”という絵本を返礼としてそのクラスの子どもにお渡ししました。

 ご存じの方もあると思いますが、“ミッケ”とは、大判の捜し物絵本の一つで、あまり広野幼稚園の保育室には置いていない類いのものです。しかし、この種の絵本は、読み聞かせには向きませんが、子どもたちが一つのテーブルを囲んで“ああだ、こうだ”などとおしゃべりしながら楽しむには最適に近い絵本ですので、子どもたちが喜ぶだろうということは想定内だったのでした。

 それから10日ばかり経ったでしょうか、“寄せ鍋パーティー”の日のことでした。講堂で年中児の演奏を聞いていますと、なぜか、この日自分の手で握ったおにぎりが20個内外届きました。とても食べられる量ではありません。とは言え、ありがたくちょうだいいたしました。

 このおにぎりを食べている途中ひらめきました。昔話“おむすびころりん”の話です。現物のおにぎり(おむすび)の返礼に、担任の先生に“この本の読み聞かせをしてもらったら”ということでした。さっそく園内に呼びかけるとあるクラスから“おむすびころりん”の本が届きました。

 この本をそのクラスの担任は読み聞かせたに違いありません。その結果は聞いてもいませんが、大盛り上がりしたことはまちがいないでしょう。

自称 保育バカ