☆ “あいうえお積み木”に付加価値をつける方法として?

ある年のこと。かなりの数がある“あいうえお積み木”で子どもたちが自分の名前を集める活動をしていたときのこと、濁音や半濁音が入った氏名を持つ子どもが非常にとまどったという話がありました。

そこで、さっそく、私は動いたのでした。薄い透明なファイルをその積み木の大きさ(広さ)に切り、それに濁点( )だけを書いたもの、あるいは、それに半濁点( )だけを書いたものを造り、それをこの積み木の周辺に置いておけば、賢明な子どもたちは、“か”の上に“ ”を載せれば“が”ができ、“さ”の上に“ ”を載せれば“ざ”、“た”の上に“ ”を載せれば“だ”、“は”の上に“ ”を載せれば“ば”、“は”の上に“ ”を載せれば“ぱ”ができると、自らの頭を働かせた活動を展開するであろうと思ったのでした。ところが、残念なことに、私の思いは、教材造りを担当する職員たちには、正確には伝わらなかったのでした。

それでは、どう伝わったかと言いますと、“か”という文字に“ ”を直接打って“が”を、“さ”という文字に“ ”を直接打って“ざ”を、造ろうとしていたのでした。この方法では、ものすごい量の文字板を用意しなければなりません。また逆に、用意ができた暁には、子どもたちは大量の文字に囲まれ過ぎて、自分が必要とする文字を捜し当てるのに、相当以上の時間を費やすことになります。まったく子どもたちは文字探しに終始してしまい、疲労するばかりでなく、時間の無駄でもあります。

このところ、小学校の生徒達の一部で盛んに行われつつある5色100人一首は、一度に100首に取り組むことは子どもたちの集中力が続かないので、100を5で割ったところに、望ましい教材としての価値が生まれたのです。膨大な数を造ることによって、子どもたちの意欲が減少するとすれば、骨折り損のくたびれ儲けになります。なんと残念なことでしょう。  自称 保育バカ