京都、五山の送り火を

お盆でお迎えしていたご先祖を西方浄土にお送りするため、昨夜は、京都の東北西の山々で点火される五山の送り火がよく見える、千本通りの北大路、東隣にある船岡山に行ってきました。

船岡山は東の出雲路橋とともに、京都の送り火の五山のうちの4個が見られるという二大スポットです。北大路通りから登るのが普通ですが、今日は船岡山の東から登ります。薄暗いというより暗さが際立つ建勲神社(祭神は織田信長公)の東の階段を息を切らしながら登り、神社の前を通り抜けますと、かなりの広場に出ます。時は、7時45分少し前です。空からぱらぱらと細かい雨が降ってきます。

傘は持っていますが、よほどのことがないなぎりさすのは、“やぼ”というものです。なぜなら、すでに、広場は満員です。今か今かと大文字の点灯を待ち兼ねている人々で、新京極以上の混雑です。静かに精霊を送るという雰囲気ではありません。

どの方角で点灯されるかは、京都の名峰、比叡山の右下と見当をつけます。かすかな一点の光を見つける瞬間が一つの醍醐味です。大文字の火が急激に明るさを増してきますと多くの人がスマホでこの映像を残そうと懸命です。周囲には、外人(西洋人)の姿だけでなく、多くの中国語が声高に聞こえてきます。「打った、打った、大文字が打った」というのんびりした“京の童歌”の時代ではないのでしょう。

続いて、点灯されるのは、松々崎の妙の字と法の字、お互いの字体も違い、方向も違い、作られた年代も違いますが、このアンバランスがその時代の民力を想像しているのかもしれません。低い山ですので、背伸びしても簡単には見えません。人々の動きが左に流れるのを待つしか仕方ありません。

15分には、船方、ご存じの通り、この火は、船の形をしていますので、子どもたちにも、分かりやすく親しみやすいことでしょう。

20分、左大文字が点灯されました。距離的に言えば一番近く、少し東から見ていますので、どちらかと言えば、英文字のKの形に見えます。すごい迫力です。

地元の方々の宗教行事が観光化され、京都市などにとっては喜ばしいことなのでしょうが、地元の方々と心の持ちようとギャップが広がり過ぎることが懸念されています。また、市井の一市民からすれば、静かに手を合わせる人がほとんど皆無だったことに、一つの時代の流れを感じました。

 

園長